【短】agreement


「ふふっ…二人とも優しいなぁ…ありがと。元気出た」

そう言いながら微笑むと、二人の顔がほんのりと朱に染まった。


「………やっぱり、ののかは可愛いな。な、凌?」

「だな。だーかーら、敵わないんだよなぁ」


変な所で気の合った様子の二人は…それでもバチバチと火花を散らして、私の肩と腰にそれぞれ手を当ててくる。


「ちょ、二人とも近過ぎ!近過ぎ!」


パパパっと二人の手を振りほどいて、赤く染まった頬に両手を当てると、私はそれを見られないように二人に背中を向けた。

「恥ずかしがる所もまたかーわいいなぁ」

「もー!凌ってばうるさいうるさい!」

「でも、本当のことだよ?」


凌も将も、畳み掛けるように二人はそう言うと、私の顔をのぞき込んでくる。


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