BLACK TRAP ~あの月に誓った日~

「誰でもってわけじゃないよ? ちゃんと選んでますから」


私の台詞を聞き流した藤川は、顎に指を当て考え込む。


「……いや、違うか。あいつは佐々木海里のイトコだから血が繋がってる。だから惹かれたのか……」

「えっ」


佐々木海里の従兄弟(いとこ)

それが本当なら、絶対に推しにする。
しない選択肢は、ない。


「確か七瀬と同じ学年で、三兄弟の末っ子。彼女はナシ」


小声でつらつらと読み上げるように藤川が教えてくれる。

何でそんなに詳しいのか謎だ。

きっと、桜花にいる親しい女友達から聞いたに決まっている。






陽が沈みかけ、辺りが一段と暗くなってきた。

女の子はまだ滑り台で遊んでいて、お家の人は心配しないのだろうかと勝手に不安に駆られてしまう。


保護者代わりの男の子は三兄弟の末っ子なら、あの女の子とは兄妹ではないということになる。

自分の兄弟の子どもを預かっているのかもしれない。


ふと、白い月の浮かぶ空を見上げ、女の子がぽつりと呟くのが聞こえた。
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