BLACK TRAP ~あの月に誓った日~


「七瀬」


藤川に名を呼ばれ、私は反射的に咲都のそばから一歩後ろへ下がる。


「放課後、生徒会室に来い」

「え。何で?」

「手伝って欲しいことがある」


それだけを言い捨て、再び教室へ戻っていった。


咲都は意味がわかっているのか肩をすくめ、「またな」と私の頭に軽く手を置いてから藤川の後を追う。


最近、藤川が何を考えているのか、本当に読めない。






「七瀬……?」


放課後になり、一人で生徒会室へ向かっていたら、斜め後ろから声をかけられた。

振り向いてみると、それはセイちゃんで。

前と同じように儚い雰囲気で佇んでいた。


(そういえば。セイちゃんの苗字、なんだったかな)


小学校のときの記憶は曖昧で。
しかも彼は途中で転校してしまったから、他の友達よりも記憶が薄い。


「一緒に帰らないかなと思ったんだけど、用事があるの?」


セイちゃんは小首をかしげ、大きな目で瞬きをする。

瞬きをするだけで可愛いって……。


「あ。ごめんね、これから生徒会に用事があって」

「生徒会?」
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