BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
「七瀬」
藤川に名を呼ばれ、私は反射的に咲都のそばから一歩後ろへ下がる。
「放課後、生徒会室に来い」
「え。何で?」
「手伝って欲しいことがある」
それだけを言い捨て、再び教室へ戻っていった。
咲都は意味がわかっているのか肩をすくめ、「またな」と私の頭に軽く手を置いてから藤川の後を追う。
最近、藤川が何を考えているのか、本当に読めない。
*
「七瀬……?」
放課後になり、一人で生徒会室へ向かっていたら、斜め後ろから声をかけられた。
振り向いてみると、それはセイちゃんで。
前と同じように儚い雰囲気で佇んでいた。
(そういえば。セイちゃんの苗字、なんだったかな)
小学校のときの記憶は曖昧で。
しかも彼は途中で転校してしまったから、他の友達よりも記憶が薄い。
「一緒に帰らないかなと思ったんだけど、用事があるの?」
セイちゃんは小首をかしげ、大きな目で瞬きをする。
瞬きをするだけで可愛いって……。
「あ。ごめんね、これから生徒会に用事があって」
「生徒会?」