BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
他の子にも同じことをしているの……?
そう考えると胸が苦しい。
先にスッと目をそらしたのは藤川だった。
ソファから立ち上がり、テーブルの方へ歩きノートパソコンを起動させている。
彼が離れていったことを少し残念に思いながらも、緊張で強張っていた体から力が抜けていく。
「そういえば、生徒会の手伝いって何?」
妙な空気を変えるために尋ねると、藤川は私を振り返らずに答える。
「ああ……七瀬を助けたお礼に、次年度分の資料作成を手伝ってもらおうと思って」
「……わかりました」
返事をしながら、何か違和感を覚え首をかしげた。
私の傷は昔の藤川のせいだから、それを償うために私を助けてくれている。
だったら。私がそのお礼をする必要はないのでは……?
矛盾に気づくも、彼と一緒にいる口実が消えるのを恐れて、口には出せない。
「ここ、座って」
パソコンの前の椅子を引き、藤川が私を促す。
遠慮がちに座ると、彼は私の斜め後ろに立ったまま、キーボードを慣れた様子で操作する。
教えてくれるためとはいえ、距離が近すぎて彼の腕に閉じ込められているみたいに思えた。