BLACK TRAP ~あの月に誓った日~

生徒会の仕事だからか、藤川は意外と優しく丁寧に教えてくれる。


「これを全部、今年の日付に変えて。名前もこの紙に書いてあるとおりに差し替えて」

「はい」



藤川に緊張を悟られないようにしなきゃ。

異性として気になっていることがバレたら、鼻で笑われて思い切り見下されるに決まってる。

悔しいから絶対認めない。



「……あの。保存先はここでいいですか?」


小さな画面を覗き込むには、必然的に二人の顔が近づいてしまう。


「いいよ。で、印刷はここを押して……」


マウスを操作していた私の手の甲に、大きな温かい手が重なった。


「…………」


視線を走らせ固まるものの、気づかないフリをして平常心を保つ。



最後にプリントアウトしたものを藤川がチェックして、ひとまずOKが出た。



「お疲れ。──てことで、今日から小國七瀬さん、生徒会メンバーに決定な」

「──へっ? 私が? 何で?」


思わず変な声が出てしまうくらい驚いて、急いで顔を上げる。


「弓道部と兼任してた奴が一人、部活に専念したいからって辞めたんだ」

「だからって……」

「美愛と同じ書記だから大丈夫」

「何言ってんの? 私より、他にたくさん向いてそうな人いるでしょ?」
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