BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
「何人か声かけたんだけど、断られたから。
……それに。さっきの答え、まだ正解してないだろ」
答え……?
私は首をひねり思い返す。
『七瀬が他の男と仲良くしてるの見ると、イラつくんだよな。……何でだと思う?』
『正解するまで、俺の言うことに従ってもらうかな』
そういえば、ついさっき。そんな身勝手なことを言われた覚えがある。
「あんな問題、ずるいんですけど」
私が答えられないのをわかっていて、わざと意地悪な問題を出してくる。
まさか、『私のことが好きだから、嫉妬してる?』だなんて口には出せない。
絶対、ただの冗談で。私が困るのを見て楽しんでるだけだ。
怒って帰ろうと立ち上がったら、藤川のいる場所から着信音が鳴り出した。
ブレザーのポケットからスマホを取り出した彼は、画面を確認し電話に出る。
「……何?」
私と話しているときよりも、だいぶ低く抑えた声。
「は? 蒼生高が?」
顔をしかめた藤川は窓際へ移り、外を見下ろす。
3階の生徒会室から見えたのは、校門付近に佇むライトグレーの制服の集団──。
蒼生高校の生徒達だった。