BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
「七瀬。しばらく、ここで待ってろ」
電話を切った彼は険しい目つきをしたまま私へそう言い捨て、生徒会室を出て行く。
「俺が迎えに来るまで、ここから出るなよ。内側から鍵かけといて」
その言葉が終わると同時に、扉が閉まった。
一人取り残され、寂しさが襲う。
蒼生高は、桜花よりもさらに良くない噂のある学校で。
男子校ということもあり、ほとんどの生徒が何かしら素行に問題があると聞いたことがある。
つまり、不良の集まりだと。
確かにライトグレーの制服をだらしなく着崩して、髪型も奇抜な印象。
カーテンの隙間から校庭を見下ろしていると、蒼生高の生徒達へ、伯王高の生徒が数人近づいていくのが見えた。
それは、さっきまで一緒にいた藤川と。
副会長の咲都。
会計の谷原先輩。
他にも三人ほどいて、ほとんど全員が生徒会のメンバーだった。
彼らが対峙しているのは、客観的に見ると異様な光景で。
不良VS優等生、という真逆の空間が出来上がっていた。
蒼生高校の生徒達は、一体何をしに伯王まで来たのだろう。
「──小國七瀬さん?」
突然、背後から呼ばれ、肩を揺らし振り返る。