BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
「七瀬が無事で良かった」
セイちゃんは優しく顔を綻ばせる。
「だけど……いいの?」
急に顔を曇らせ、セイちゃんが私へ尋ねた。
「何が?」
「藤川のそばにいるから、こんな風に狙われてばかりなんだよ」
「えっ……」
なぜか彼は、私が男達に頻繁にさらわれていることを知っているようで、心配そうに眉を下げる。
「あまり、藤川の近くにいない方がいいと思う」
そう言われても困る。
生徒会に入ることは決定してしまったし。
何より、私が彼のそばにいたいから……。
「七瀬が危険な目に遭うのは耐えられないよ」
私だって危険な場所に身を置きたくはない。
だけど、今さら彼のそばから離れて関わりをなくすなんて、できはしない。
「だって、俺……」
言葉を途切れさせたセイちゃんは一度うつむき、再び顔を上げる。
彼のぱっちりとした女の子のような瞳は、ひどく真剣なものだった。
「ずっと昔から……七瀬のこと、けっこう好きだった」
「……え?」
「だけど、久しぶりに会ってみて、前よりももっと好きになりそうで……」