BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
「蒼生高の奴らまで、七瀬のこと狙いに来たなんてな」
藤川はセイちゃんから目をそらし、低く呟く。
「門の所にいた奴らも、同じ目的だったの?」
「……ああ。七瀬をさらうための、囮だった」
二人の話からわかるのは、さっきの灰色メッシュの男は、本当は蒼生高の生徒で。
伯王の制服を着て潜り込み、生徒会メンバーがいない隙に、私をこっそり裏から連れ去ろうとしたということ──。
「藤川達が護れないんだったら。俺が代わりにそばにいるっていう選択肢もあるんだよ」
セイちゃんは藤川のことを真剣な表情で見つめている。
その視線を受け止め、藤川は口を開いた。
「七瀬は俺達が護る。お前には渡さない」
きっぱりとした強い言葉に、ドキリと胸が高鳴る。
「……そう」
一瞬切なげに目を伏せたセイちゃんは、私の方へ顔を向けた。
「七瀬。さっき言ったこと忘れないでね」
彼はそれだけを言い残し、西側の廊下の方へ去っていく。
藤川と二人取り残され、一瞬沈黙が落ちた。
絶対、怒られる。
そう思って身構えていたけれど──。