BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
「七瀬がまた、連れ去られたかと思って……焦った」
ぽつりと藤川はこぼし、生徒会室のドアを開ける。
「なるべく、俺達から離れるなよ。……お前のこと一人にして悪かった」
藤川が謝ってくるとは思わず、戸惑いながら入り口の前で立ち止まっていると。
彼は私の手を引いて、室内に入りまた鍵を閉めた。
セイちゃんからは、藤川のそばにいない方がいいと言われたけれど。
本人から直接、離れるなと言われたのだから、おとなしく従うつもり。
例えそれが危険な選択なのだとしても。
「ここの鍵、もう大丈夫なの?」
「ああ……、咲都達が回収してるはずだから問題ない」
奪われた鍵を咲都達が取り返してくれているということだろうか。
ソファに二人で腰を下ろし、やっと気持ちが落ち着いてくる。
見知らぬ男に連れ去られそうになり、緊張していたらしい。
「──それより七瀬」
唐突にキッと睨みつけられ、困惑する私。
藤川は乱れていた髪を無造作にかきあげてから、イライラと腕を組んだ。