先輩に一目惚れしたんで、サイエンス部に入部します!
えっと……何だっけ……。俺は少し考えてから、「わかりません」と答えた。でも、星野先輩は呆れた顔などは見せない。

「光合成の原料となるのは、二酸化炭素と水。葉っぱの裏側にある気孔から、二酸化炭素を取り入れて酸素を出すんだ。気孔からは水蒸気も放出され、これを蒸散って言うの」

「なるほど〜」

楽しそうに教えてくれる先輩、かわいすぎ!心臓が高鳴りっぱなしっす!

「あっ!あの、花を咲かせて種子を作る植物を種子植物って言うんでしたっけ?」

俺が思い出したことを言うと、星野先輩は「うん、そうだよ」と笑う。

「種子植物は、胚珠が子房に包まれている被子植物と、子房がなく、胚珠がむき出しの裸子植物に分けられるんだ。被子植物では、子葉が一枚だと単子葉類、二枚だと双子葉類って言われるよ!ちなみに、種子を作らない植物には、シダ植物とコケ植物があって、胞子で仲間を増やすんだ〜」

星野先輩は、一つ一つ丁寧に教えてくれた。このままずっと俺の家庭教師してください!

友永は相変わらず俺を睨んでいる。俺は、勝ち誇った笑みを浮かべてやった。



次の日、俺はスキップをしながら部室へと入った。

「こんにちは〜!!」

また今日も、星野先輩に理科を教えてもらえる。そう思うと嬉しすぎ〜!!あの胸のでかいスタイル抜群な先輩を独り占め…。グフフ…。

星野先輩は、まだ部活に来ていなかった。いるのは、実験をしていないのに白衣を着ている河合先輩と、河合先輩と喋る岩井先輩。そして……中学校の理科の教科書を手にした友永。
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