アブナイ王子様たち
なんでだろう?


まぁ、いっか……。


私がやる予定だったお手伝いさんの仕事、薫くんがやってくれるみたいだし。


ここは、薫くんに甘えたほうがいいのかな。


そう思った直後、薫くんが私に視線を向けた。


嘘やいつわりのない、真剣な眼差しだ。


「……なぁ」


「は、はい、なんでしょうか……」


同い年なのに、敬語を使ってしまった。


「あんたがやってるお手伝いさんの仕事って、どんな仕事?」


「え、えっと……この家の全部の部屋の掃除とか、洗濯……だよ」


「ふーん……」


あまり興味がなさそうな顔をする薫くん。


本当に薫くんにお手伝いさんの仕事をまかせてもいいのかな……。
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