アブナイ王子様たち
「え……っ⁉︎」


い、イチャイチャ……⁉︎


だ、誰が?


私が?


私が、誰とイチャイチャ……?


そう考えるだけで、顔が熱くなる。


「そ、そんなこと、できるわけないじゃないですか!


私、彼氏なんていないですし……」


「そこなんだよ!」


「は……?」


「そこなんだよ、愛海ちゃん!


彼氏がいないけど、いると思い込ませるんだ」


「へ……?」


意味がわからない。


悟さんの言いたいことがよくわからない。


頭上にクエスチョンマークを浮かべる私に気づいたらしい翔さんが、ため息をつく。


「……はぁ。


兄貴の言いたいことが伝わってないみたいだな」


はい。


こくんとうなずく。


「兄貴が言いたいのは、あんたが、俺らのうちの誰かと付き合ってるフリをして、ストーカーに見せつけよう、ってことだよ」
< 300 / 642 >

この作品をシェア

pagetop