アブナイ王子様たち
さすが天然くん。


だが、誠さんが気づいていなくても、翔さんはなにかに気づいたようで。


「……あれ?


あそこにいる男、どこかで見たことがあるぞ」


えっ……。


どこかで見たことがある男の人がいる?


翔さんの言う『あそこ』がどこか気になって、キョロキョロとあたりを見まわす。


どこにいるかわかったのは、見まわしはじめてから数秒後だった。


私から数百メートル離れている電信柱に、背の高い男の人がいる。


あの人が、翔さんの言う『どこかで見たことがある男』かな。


服装は、ここからじゃ見えない。


なのに、翔さんは『どこかで見たことがある男』と言った。


電信柱にいる男の人、翔さんと顔見知りの人なのかな。


そう思ったが、その男の人からとんでもない殺気を感じた。
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