アブナイ王子様たち
うわっ、寒気がする……。


まだ夏なのに……。


電信柱にいる男の人が、私がいる方向をじーっと見ている。


これだけならまだいい。


しかし、それだけではなかった。


誰かを殺せそうな視線で、こちらを見ている。


怖い……。


さっきまでテンションが上がっていたのに、電信柱にいる男の人の視線を受け止めて、テンションが下がってしまった。


私のテンションが下がったことに気づいたのか、匠くんが私の肩に手を乗せる。


「愛海、大丈夫か?


顔色、悪いみたいだけど」


「だ、大丈夫だよ……」


4人には迷惑をかけられないよ。


だから、『大丈夫』って言わなきゃ。


「……ちょっと、人気がないところで休むか」


えっ……。
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