輪舞曲-黒と白のcaprice-

「パートナー…?」

思いもよらない言葉だったのだろうか。
呟くように吐き出し、表情は変わらないまでも少し目を丸くしたまま無言で俺を見上げながら見つめている。少女自身も、どう反応を示すべきなのかが見当もつかないようだ。

『うん、そう。君の腕前は確かだ。俺がこれまで出会ってきた人間たちを遥かに凌駕している。裏を返せば…、君でなければ俺の窮地に陥れる事など叶わぬ夢になっていたことだろう』

にっこり笑って会話。すると少女もつられて皮肉を表すような笑み…というより口角を無理やり上げただけを小さく浮かべる。

「あら、かなりの自意識過剰なのね。」

『まがりなりにはね。本当に君は俺の事を知らないの?』

微笑んで、少女に問い掛ける。この界隈に身を置く者として、俺の存在(=通り名)を知らぬ人間は誰一人としていない筈。けれど知らないと言いきった少女。虚栄か無知なのか。この“ユリア”という暗殺者が未だに読めない。

「…知らない。ごめんね、他人には興味ないの」

突き放すように少女ははっきりとした口調で切り返す。その瞳には嘘偽りはないといった様子だ。

『じゃあ…“黒薔薇の騎士”は?』
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