輪舞曲-黒と白のcaprice-
立ち上がると同時に痛みが閃光のように身体を突き抜け小さく唸り声をあげてしまう。けれどもそれをやり過ごし無表情と無痛を演じる。
『ユリア、』
「何も言わないで。だけどついてくるのなら勝手にしたらいい。どうなるかは責任持たないけどね。
だけど、これだけは覚えておけ。いつかあたしはおまえをもう一度殺す。次は確実に。」
言いたいことはそれだけだ、と付け足して痛みがまだ残る身体に鞭を打つように動かしてクローゼットに閉まってあった愛用の黒のコートを纏い窓枠に足を掛けて窓の外へ飛び込む。
『…よく肝に銘じて覚えておくことにするよ。
それに、止めるわけないでしょう?勿論君の力にもなろう。
残念ながらお互い…後戻りは出来ないんだから』
ひゅうと吹く穏やかな風。それを背にもう一度深い闇に溶けてゆく。