輪舞曲-黒と白のcaprice-
「や……やめろ……!!
やめてくれ………っっ!!頼む、見逃してくれ………!!」
「…悪いな。怨みはないが彼方で行いを存分に悔え。」
ぱぁぁぁあんー………
「…っ、」
一歩進めば傷口は疼き、変わらず包帯は赤い鮮血で染め上がる。胸の軋みは悲鳴をあげ呼吸音ですら怪我が如何に重いものなのかを知らしめるように、ひゅうひゅうと響き渡る。
尋常ではないくらいの冷や汗がこれでもかと言わんばかりに流れ少しずつ体温を奪ってゆく。
いっそのこと気絶でもしてしまえれば、少しは状態が落ち着くのかもしれない。しかし、そうはいってられない。
早いところこの場から離れてしまわなければ、この凄惨な状況を第三者に目撃されてしまう恐れがあるからだ。
……-------昼間、ボス…コウくんに突き付けられた黒い紙と現実。
それをこなし、ボスの逆鱗に触れた男はもういない。有るのは魂の抜けた骸だけ。
最期の顔はもう判別が出来ないくらいにしたからもう把握することも思い出すことも出来ない。
ただ、いつまでも張り付いて離れないのはいつだって声にならない声で叫ばれた命乞いの断末魔。