輪舞曲-黒と白のcaprice-
あまりにも優雅に微笑みながら勧めるものだから、ついには根負けして新聞紙に手を伸ばしてまずは三面記事に視線をやる。するとそこには…。

「げ…現代の切り裂きジャック?はたまた深き眠りから目覚めし黒衣の狩人 ヴァンパイア… なによこの見出し!」

まるで、古くなりすぎて上映すらされなくなったB級映画のタイトルかのような見出し。街で何やら不穏な事件が起こっているということは新聞紙の内容から読み取れる。読み取れるが、その事件の概要こそ映画のあらすじのようでどうにもこうにも現実味がまるでない。

『こちらの記者のセンスはいいね。意外と俺は好きだよ。この黒衣の狩人とか。』

「寝言は寝て言え!しかもなにこの事件。馬鹿馬鹿しい。女が暴漢に襲われてるのはわかるけど、犯人がなんでヴァンパイアなのよ」

読み進めていくうちに生まれる呆れにも似た脱力感。内容はますますSF好きが嗜めた空想科学小説や呪いのなんとか!といったような預言書だったりであるからだ。まさにイミテーション、イマジネーションの世界だ。
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