双星の煌めきは月夜に魅せられて
⁑
☆
結構前向きな検討なだけだって、合コンは行こうと決めた。
そして今は大学内のお手洗いでメイクを施している。
合コンの前準備っていうやつだ。
「月那ってメイクも完璧だね……めっちゃモデルさんみたいなんだけど」
「……まあ、片想いの特権よね」
「ねえ、ショックじゃないの?」
「うーん……ショックだけど」
実際私の思い込みでもあるのだ。
優生が胡桃が好きだということは。
それに私は告白もしてないし、失恋しているかはっきりとわからないのだ。
「泣かないな」
だからなのかもしれない。
まだ完全に無理なのだと思っていないのかもしれない。
心のどこかでは大丈夫だと、まだ可能性があると期待している。
そう、まだ願ってしまっているんだ。