双星の煌めきは月夜に魅せられて






結構前向きな検討なだけだって、合コンは行こうと決めた。


そして今は大学内のお手洗いでメイクを施している。


合コンの前準備っていうやつだ。



「月那ってメイクも完璧だね……めっちゃモデルさんみたいなんだけど」


「……まあ、片想いの特権よね」


「ねえ、ショックじゃないの?」


「うーん……ショックだけど」



実際私の思い込みでもあるのだ。


優生が胡桃が好きだということは。


それに私は告白もしてないし、失恋しているかはっきりとわからないのだ。



「泣かないな」



だからなのかもしれない。


まだ完全に無理なのだと思っていないのかもしれない。


心のどこかでは大丈夫だと、まだ可能性があると期待している。


そう、まだ願ってしまっているんだ。
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