クールな御曹司と愛され新妻契約


パーティーの夜からの一週間は、千景さんの仕事が忙しい日々が続き、夜も会食で忙しいらしい彼の帰宅は非常に遅く、就寝時間もすれ違いが続いてしまった。

その間に、クリーニングに出したドレスも手元に返ってきたけれど、結局全てのシミが綺麗になくなることはなかった。

それはまるで私と千景さんの関係のようで、クローゼットに掛けられたそのドレスを眺めるたびに、悲しみが押し寄せる。

全く根拠のない噂を信じるなんて、千景さんの信頼を裏切るのと同じなのに。

彼の信頼を無くすのが最も怖かったくせに、嫉妬で変な意地を張って彼を傷つけてしまったことを、私は毎日後悔していた。

千景さんと会話ができるのは、朝方会社へ向かう彼を送り出す時だけ。

だと言うのに、朝食を作ってお弁当を渡すくらいのコミュニケーションしか取れず、なかなか踏み込めない。

早く『ごめんなさい』と謝りたいと思いながら、今更それを蒸し返すのに、恐怖を覚えている。
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