クールな御曹司と愛され新妻契約
「ネクタイが、曲がっています」
「……ありがとう」
副社長室のドア越しに、秘書の実友さんとやりとりをするのが聞こえる。
――身長が高く白百合のように美しい秘書が、三つ揃えのスーツを身にまとっと眉目秀麗な副社長の襟元に手を掛けて、ダークネイビーのネクタイを整える――。
室内からではおぼろげな人影すら見えないが、私の脳裏にはそんな情景が鮮明に描かれてしまい、大人の色気が漂う妖艶な二人の姿に、私はひっそりと息を呑んだ。
途端に、先ほどの突拍子もない推測が現実味を帯びてきて、心の奥底に淀みが広がる。
……やっぱり、二人は元々そういう関係だったんだ。
「私はここで失礼致します。副社長室へは誰もお通ししないようにしますから、奥様とお二人でごゆっくりお食事をされてください」
「ああ」
再びガチャリとドアノブが捻られる。
焦った私は弾かれるように、腰掛けていたソファから立ち上がった。
「……ありがとう」
副社長室のドア越しに、秘書の実友さんとやりとりをするのが聞こえる。
――身長が高く白百合のように美しい秘書が、三つ揃えのスーツを身にまとっと眉目秀麗な副社長の襟元に手を掛けて、ダークネイビーのネクタイを整える――。
室内からではおぼろげな人影すら見えないが、私の脳裏にはそんな情景が鮮明に描かれてしまい、大人の色気が漂う妖艶な二人の姿に、私はひっそりと息を呑んだ。
途端に、先ほどの突拍子もない推測が現実味を帯びてきて、心の奥底に淀みが広がる。
……やっぱり、二人は元々そういう関係だったんだ。
「私はここで失礼致します。副社長室へは誰もお通ししないようにしますから、奥様とお二人でごゆっくりお食事をされてください」
「ああ」
再びガチャリとドアノブが捻られる。
焦った私は弾かれるように、腰掛けていたソファから立ち上がった。