クールな御曹司と愛され新妻契約
「あの、主任。勤務先のことでちょっとご相談があって……」

「こうやって休日に来るくらいだから、大きな問題なのよね? 謝罪が必要なら三並さんも一緒に行かないといけないし……。それとも、なにか法的処置が必要な案件なの?」

「そ、そんな大層なことじゃないんです! できれば、来週から誰か他の方に世田谷区の冷泉様邸へ伺っていただきたくて……」

頭を深く下げて、「申し訳ありません。担当者の変更をお願い致します」と再度お願いする。

「……理由を聞いてもいいかしら?」

ややあってから、主任は硬い声音でそう問い返した。

「契約者の……お孫さんである冷泉千景様に、恋愛感情を持ってしまって。それで、どうしても顔を合わせ辛くなってしまいました。すみません、プロとして失格です」

「そう。それなら残念だけど、来週から別の方に行ってもらうしかないわね。次はそのようなことがないように」

「はい。申し訳ありませんでした」

主任に再び深く謝罪したところで、オフィスの電話が鳴る。
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