クールな御曹司と愛され新妻契約
そんな風に、最初は彼女との関わりを極力避けていた。


当時、自宅で食事をする時間も惜しかった俺は、麗さんが作り置いてくれた食事も温めるのが面倒だからと冷たいまま食べては残し、最初は捨てることも多かった。

けれども、彼女は何も言いはしなかった。

【冷泉様、お疲れ様です。本日のお料理は】から始まる作り置きの献立や食べ方を書き連ねたのメモも、煩わしくて、一読もせずクシャクシャにしてゴミ箱へ捨てることさえあった。

しかし麗さんはめげず、俺の生活を快適で豊かなものにするために色々な工夫をしてくれた。

……今考えれば、なんて勿体ないことをしたんだ! と昔の自分を殴りたい。


いつの間にか好物がバレていても不快になんか思わなかったし、それどころか毎日の食事が楽しみになり、誕生日やクリスマスに用意された少し豪華な料理と一緒にメッセージカードが添えてあるのを見て、頬を緩ませている自分に少し驚く。
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