クールな御曹司と愛され新妻契約
俺に縛りつけることができるならそれでいい。
多くは望まない。

そう思っていたのに、全て記入済みの婚姻届は、そのまま書斎の引き出しへ仕舞うことになった。

これさえ出してしまえば、彼女は簡単に自分のものになる。
だが、こんな紙切れ一枚で形式的に彼女を縛り付けても意味がないのだ。

……とにかく、今はまだ出せない。
俺が麗さんを愛しているように、いつか麗さんにも俺に夢中になってもらわなければ。


今までも何度となくアプローチをスルーされ、その上〝告白されるのが怖い〟という彼女には、やはり、『俺はあなたを本当に愛している』と、今まで以上の態度で示していくのが一番なのかもしれない。

今まで以上の態度となると少し強引過ぎるような気もするが、一応便宜上は夫婦なのだから……

なんてごちゃごちゃと思考しながら、『一ヶ月後に再びプロポーズする』と心に決めて、俺は麗さんへの猛アプローチを開始したのだった。
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