クールな御曹司と愛され新妻契約
これ以上、千景さんのことを好きになったら、気持ちを隠し通せる自信がない。

彼から向けられる信頼を裏切りたくないのに……っ!

このままでは、今まで密やかに押し殺していた恋心が瞳や仕草や唇から、いつかこぼれてしまうのではないかとヒヤヒヤしてしまう。


両親へ『千景さんと入籍する』という報告を済ませた当日の夜から、私は千景さんのマンションで新生活を送っているのだか、同居を初めて三日間くらいは、緊張のあまり彼とまともに顔も合わせることができないほどだった。

だって無意識に何度も、あの嫉妬に揺らめく熱を帯びた真剣な瞳を思い出していしまって、彼を前にすると会話だってままならなくなってしまうのだ。

同居にあたって千景さんの自宅のゲストルームを借りた私は、幼馴染の前で私を守ってくれた事や車内で起きた出来事を思い出しては、高鳴る心臓に困惑しきりで、ここが自宅のワンルームマンションであればベッドの上で足をバタつかせながらのたうち回っていたに違いない。
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