クールな御曹司と愛され新妻契約
爽やかなのにどこか色気のある千景さんのその姿に、ポーッと見惚れてしまう。

か、かっこいい……。

心の中でそう呟いて、ハッと現実に戻る。
彼が上半身に何も着ていないことにようやく気がついた私は、「きゃあっ」と思わず声を上げながら、椅子の上で大仰に体を跳ねさせた。

その声にビクリと体を揺らした千景さんは、髪に被ったままのタオルを片手で押さえながら、きょとんとした表情で私を見る。

「え? あっ、すみません。考え事をしていたら、つい癖でパジャマを置いたまま出てきてしまったみたいで」

「いえ、その、こちらこそすみません! 見てしまいましたっ」

赤面しながら慌てて顔を覆った私は、「今のうちにどうぞパジャマを着てください」と俯きながら促す。
今更ながら、心臓がドキドキと走っている。

いつもは甘く優しい王子様、なのに。
お堅い英国スタイルの三つ揃えスーツの下に隠されていた、滴るような大人の色気を漂わせる肉体美を不意打ちで目の当たりにしてしまい、びっくりした。

鍛えているのかウエストラインが引き締まっていて、凄く綺麗だった……って、どうしてまたそんなことを思い出すの!
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