クールな御曹司と愛され新妻契約
「初夏の柳緑花紅をコンセプトにした会場作りを行っているので、そういったイメージで華美過ぎなければ。良ければ、今週末に買い物へ行きませんか? ぜひまた俺が選んだものを用意させてください」

そう言われて、「いえいえ、大丈夫ですから!」と私は慌てて両手をわたわた振った。

再び新たなドレスを千景さんに用意してもらうなんて恐れ多い。というか滅相もない。

「せっかくなので、この間いただいたドレスで参加させていただきたいと思います」

千景さんから貰ったあのお洋服は、高価すぎて普段にはなかなか着る機会がなくて勿体ないなと考えていた。

清楚な印象の上品なワンピースだったのでドレスコードにも合っているし、落ち着いた印象のジャケットを羽織れば、肩の露出もなくかっちりとしたスタイルになるだろう。

「遠慮なさらなくても良いのに」

「ふふふっ、遠慮じゃないですよ。あのお洋服を気に入っているので、また着られる機会があって嬉しいです」

千景さんには言えないけれど、私からすれば偽りといえど好きな人からプロポーズの日に貰った、大事な大事な思い出の詰まった一着だ。
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