クールな御曹司と愛され新妻契約
これからも、色々なシーンでずっと大切に着ていけたらいいな、と思いつつへにゃりと微笑みを浮かべながら、手元のスケジュール帳に視線を落とす。

【六月のメモ:名義変更を忘れずにすること】

そんな文字が目に入り、そういえば! とすっかり忘れていた大事なことを思い出した。

契約結婚をすることに決まり、結婚についてのアレコレを急いで調べた。
その時に、婚姻届の受理から新たな戸籍の戸籍謄本が発行できるようになるのは大体二週間後とインターネットで確認したのだ。

二週間後と言えば大体六月上旬なので、出来るだけ早くどこかで有給休暇を申請して、各種変更手続きを行っていかなければ……と計画していたはずだったのに、忙しくてすっかり忘却していた。

名義を変更するってことは、まずは先に、どこかの印鑑屋さんで新しい印鑑を作ってもらわなくちゃ。

「千景さん。そろそろ公的機関で名義変更の手続きをしようと思っているのですが、私用の『冷泉』名義の印鑑を作っても良いでしょうか?」

私達は便宜上の夫婦なので、私にとって『冷泉』という苗字は千景さんの苗字でしかない。
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