無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「何?何の話?」

「ほら、前に朝陽が“パンばっかり食べてると太るよ”って言ったじゃない?それを岩沢さんに相談してベーグルサンドを教えてもらったの」

「そっか、こんなに細くてスタイルのいい陽菜さんに失礼なことを言う弟がいるんだなって思ってたら朝陽のことだったんだ」

「……陽菜姉、知らない間に評価落とすようなこと言わないでくれる?」

言っとくけど、陽菜姉のために言ってるんだからね。と言う朝陽に、うん、わかってるよ。と笑顔で返す陽菜はとても仲が良さげで見ている真未も穏やかな気持ちになった。

「あ、いつまでも玄関でごめんね。
どうぞ、入ってください」

「ありがとうございます」

遠慮なく上がらせてもらって朝陽と陽菜に続いてリビングに入るとソファーを勧められた。
朝陽はパンケーキやコーヒーを用意してくれているようでキッチンに立っているが、向かいに座った陽菜はキラキラした目で真未をじっと見つめていた。
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