無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「うわぁ!真未ちゃん似合う!
絶対にこれがいいよ!」

「そ、そうですか?」

今日は挙式でのドレス選びの日でたまたま仕事が休みだった陽菜に選ぶのを手伝ってもらい、何着も着てみて陽菜が絶賛したのはオフショルダーのAラインのドレス。
モデルの陽菜が言うんだから間違いはないはずなのだけど、胸元が開きすぎではないかとか、肩が出ていて恥ずかしいとか、大体ドレス自体自分に合うのかとかいろいろ考えてしまって自信がなくなっていく。

「ほらほら、背中を丸めないで胸を張って、顎を引いてしっかり前を見る!」

「はい!」

普段はおどおどしていてもさすが本業がモデルだけあって、このようなときの陽菜は少し厳しい。
言われた通りしっかり胸を張って目の前の鏡を見ると、そこには思ったよりもドレス姿が似合う自分の姿が写っていた。

「私も最初はそうだったの。
プロの人が用意してくれる服も小物もメイクも、自分には似合わないんじゃないかっておどおどして……。
でも、姿勢を変えただけで全然見え方が違うんだって教えてもらったんだよ」

「いつも雑誌では笑顔で、おどおどしてるようには見えませんでした」

そう言うと陽菜は、実はそんなことなかったんだよ。と柔らかく微笑んだ。
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