無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
式の当日はとてもよく晴れて、海も空もとても綺麗だった。
チャペルを前にしてウェディングドレスに身を包み、真未は隣に立つ父親の腕に手をかけて何度も深呼吸をしていた。
「朝陽君は……」
ぽつりと隣から声が聞こえて視線だけそちらに向けると、父親が前を向いたまま感情の読めない表情をしていた。
これは緊張を隠している顔だと以前母親に教えてもらったことのある真未は、この式で緊張しているのは自分だけではないのだと少し安堵した。
「朝陽がどうしたの?」
「朝陽君は約束を守ってくれていたか?」
それがどの約束のことなのか、真未は瞬時に理解すると小さく頷いた。
それを横目で見たらしい父親も一つ頷くと、さらに口を開いた。
「突然一人で家にやって来て真未を欲しいと言ってきたときは聞く耳持たずに追い返したんだが、彼は何度も何度もやって来て諦めなかった」
「……」
「これは母さんにも言ってなかったんだが、どうしても真未が欲しいなら誠意を見せろといろいろ無理難題を吹っ掛けた。
だが、彼はことごとく突破してな」
「どんな難題を吹っ掛けたのよ……」
「言わん。
墓場まで持っていく」
いやいやいや……。と真未は若干呆れてしまうが父親はやっと顔を真未の方に向けると口元だけ上げて微笑んだ。
チャペルを前にしてウェディングドレスに身を包み、真未は隣に立つ父親の腕に手をかけて何度も深呼吸をしていた。
「朝陽君は……」
ぽつりと隣から声が聞こえて視線だけそちらに向けると、父親が前を向いたまま感情の読めない表情をしていた。
これは緊張を隠している顔だと以前母親に教えてもらったことのある真未は、この式で緊張しているのは自分だけではないのだと少し安堵した。
「朝陽がどうしたの?」
「朝陽君は約束を守ってくれていたか?」
それがどの約束のことなのか、真未は瞬時に理解すると小さく頷いた。
それを横目で見たらしい父親も一つ頷くと、さらに口を開いた。
「突然一人で家にやって来て真未を欲しいと言ってきたときは聞く耳持たずに追い返したんだが、彼は何度も何度もやって来て諦めなかった」
「……」
「これは母さんにも言ってなかったんだが、どうしても真未が欲しいなら誠意を見せろといろいろ無理難題を吹っ掛けた。
だが、彼はことごとく突破してな」
「どんな難題を吹っ掛けたのよ……」
「言わん。
墓場まで持っていく」
いやいやいや……。と真未は若干呆れてしまうが父親はやっと顔を真未の方に向けると口元だけ上げて微笑んだ。