無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「それほど必死に真未のことを欲しがってくれているなら何があっても大事にしてくれると思って朝陽君に真未を託すことにしたんだ」

「お父さん……」

「まあ、簡単にくれてやるのも悔しかったから結婚まで一線越えるなと約束させたのは嫌がらせだったがな」

「……お父さん……」

感動していたのに台無しだと真未は呆れ返ると父親は、そう言えば……。と呟いた。

「朝陽君が結婚の報告をしてきたときに、絶対にこの日に式をあげたいから必ず都合をつけてほしいと言ってたんだが……何かあるのか?」

「え?何があるんだろう?」

「……お前、大事な記念日とか忘れてるんじゃないだろうな」

「そ、そんなことない、と思うけど……」

「いや、お前なら忘れかねん。
毎年母の日は覚えてて父の日は忘れていたからな」

根に持っていたのか。と真実がどう言おうか悩み始めると式場のスタッフの人が、お時間です。と声をかけてきた。
父親との会話のおかげですっかり緊張も解れた真未はしっかり前を見据えるとゆっくりと開かれる扉を見つめた。
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