過去の精算
車まで戻ると、私は前谷君に抗議した。
「なんで、待っててくれなかったの?」
「・・・・・」
「私、言ったでしょ?
休みの日の商店街は人が多いからって!
直ぐに噂って広がるんだよ?」
「・・・・・」
「なんで…なんで分かってくれないの?」
「・・・・・」
「ねぇ、黙ってないで、なんとか言ってよ!」
「未琴は…俺と居るとこ、そんなに見られたくないのか?」
それは…
「・・・・・」
「俺たち、付き合う事になったんだよな?
未琴だって俺の事好きだって言ってくれたよな?
俺がどれだけ我慢してるか分かってないだろ?
好きな女を自分の物に出来たのに、抱く事も出来ずに…
でも、未琴を大切に思ってるから、未琴の心の準備が出来るまで、手を出さずにいようって思ってるのに…
未琴は俺と居るのが恥ずかしいのか?」
「違う!」
「じゃ、なんで隠れなきゃいけないんだよ!」
「ごめん…でも今はまだ時期じゃないと思うから…」
「時期って何だよ!」
「私達…本当に付き合って良いのかな?」
「…未琴?」
「病院の人達、みんな話してるの…
前谷君には、ちゃんとした所のお嬢さんとじゃなきゃ釣り合わないって…
だから…私がそばにいる所見られたら、前谷君困るかなって…」
嘘っ…
私が恐れてるの
前谷君をこれ以上好きになって、後戻り出来なくなるのが怖くて…
「未琴? それ本気で言ってる?
俺が、未琴と一緒に居たいって言ってるのに?
俺の事、まだ信じられない?」
「そうじゃないけど…」
「俺は、何があっても未琴を守る。
もっと未琴が、俺の事信じれる様に、毎日信頼回復に努めに来るよ?」
「へ?」
「で、未琴はそんな俺を労う為に、毎日料理をつくってくれ?」