過去の精算
「違う!」
「違わない!」
「違うって言ってるでしょ!!」
ここは譲らないとばかりに、二人は言い合っていた。
「フッ…あんたもカルシウム不足の様だな?
ほら、食え!」
前谷君はそう言うと、私の口へ小松菜を放りこんだ。
「どうだ、美味いだろ?
もっと食え!」と、野菜ばかりを私の器に入れた。
「もぅ!
これは前谷君の為に、用意したんだから!
前谷君が食べないと意味ないでしょ!」
「やっぱり、俺の為を思ってだったな?」と、彼は口角を上げ勝ち誇ったとばかりに笑った。
「っ・・・・・」
「女は素直な方が可愛いぞ?
ほら、認めろよ?」
「ひとの話はちゃんと聞いた方が良いですよ!
さっきも言いましたが、私は、先生に借りてる利息の為という意味で言ったんです!
先生も頭いいなら、10を言われなくても、察しがつくと思いますが?
それとも、余程自惚れが強いんですね!」
「はぁ!?」
「カルシウム沢山とってください?」
私は仕返しとばかりに、沢山の小松菜を彼の器に入れた。
その時、私の携帯電話がなった。
「え?前田さん?」
「おい、なんで前田から、電話なんてかかってくるんだよ!」
しっ!
私は人差し指を立てて、黙ってと彼に合図した。
「もしもし? 前田さんどうされました?」
『木村さん、どうしましょう!
智哉が、智哉が事故を起こしたらしくて、私どうしたら良いか…』
「前田さん落ち着いてください。
もしかして、それ弁護士さんからの電話でした?
お金を用意して欲しいとか?」
『ええ、そう。
直ぐにお金を払えば、今なら示談に出来るって言われたの…』
「それでお金用意するって、言ったんですか?」
『ええ。お金は有るって言ったら、30分後にその弁護士さんが取りに来るって!』
絶対違う!
「直ぐに、私行きますから、待ってて下さい!
絶対、誰が来ても、私が行くまで玄関開けないで下さいね!」
急がないと…