過去の精算
「あら、スーさん。いっらっしゃい!」
「いらっしゃいませ」
常連客だろうか、既に出来上がってるお客さんが、3名入って来た。
「スーさん、凄くご無沙汰だったじゃない?
何処で浮気してたのかしら?」と、言ったママはお客さんの腕をつねった。
ママのいい人?
「イタタタ…
ごめん、ごめん。 仕事が忙しくてさ?」
「うそ嘘!
舞ちゃん、今日はスーさんに沢山ボトル入れてもらいなさいよ?」
「はーい!
スーさん、浮気なんかして私怒ってるからね?」
なんだ舞さんのお客さんか?
「ホント仕事が忙しかったんだって!
お詫びに友達連れて来たからさ?
許してよ? ね、舞ちゃん!」
酔っ払ってるオジさんは、舞さんに謝ると嬉しそうに舞さんの胸をチョンと指で突っついた。
えっ!?
驚いて居るのは私だけで、他の女の子達は当たり前の様に笑ってる。
これが…
普通なの…?
「おっ! 新人か? こっちおいで?」
スーさんが連れて来た、友達とやらの隣に座り、水割りを作って居ると、スーさんは友達の紹介を始めた。
「彼は、元木。 学生の頃の悪友だ。
ほら、隣町に大きな総合病院が有るだろ?」
っ!
「そこの事務長さんなんだぞ?」
「・・・そ、そうですか?」
まさか、事務長だったとは…
店内は薄暗く、私は眼鏡を外し深いブルーのカラコン入れていた為、お客さんの顔がよく見えなくて、事務長だとは気がつかなかった。
気づいたからと、今更席を離れる事も出来ないし、事務長も私に気づいてないみたいだし…
このまま知らないフリを通すしかないか…
私の勤務先を知ってるママと舞さんは、“ 大丈夫? ” と目配せをしてくれる。
私は “ 大丈夫 ” だと軽く頷いた。
その時、“ 君は外人さんかな?” と、事務長が私の顔を覗き込んできたのだ。
ヤバイッ!
緊急事態発生!
どうする?