過去の精算

「君は知らないのか?
酒は飲む為に作られてるんだぞ?」

もぅなによ! 私を馬鹿にしてるの?
「そんな事、言われなくても知ってる!
そんな高いお酒、本当に飲むのかって聞いてるの!」

「そのつもりだけど?」と言って、彼は封をあけてしまった。

あっ!!

「これも、君の売り上げになるんだろ?」

そうだけど…
なんか違う気がする。

200万もするウイスキーが開けられ、どんなものかと、皆んなが固唾を飲んで見ている。

その時、開けたボトルを高く上げ、「挨拶がわりに皆さんへ!」と彼は言った。

えっぇぇぇ…
200万だよ⁉︎
200万するお酒を、見ず知らずの人達に、挨拶がわりにって普通振る舞う⁉︎
彼の金銭感覚は分からない。

お客さんも女の子達も、普段飲む事の出来ないお酒に喜び、そしてママまでもが、喜んでご相伴にあずかっている。
だが、開けた本人は、それを飲むでもなし、ここに来てから、前谷君はずっと烏龍茶飲をんでる。

やっぱり、飲まないんだ…?
じゃ、なんで開けたの?
200万もするお酒を…?

「君も飲めば?」

「飲みません!」

マッカランが空になると、今度は高いブランデーをママに持って来させた。





< 81 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop