過去の精算
100万…
私…なんの為に働いてるの…
がっくり肩を落としてると、外が騒がしい気がして、外に出てみれば、衝突事故が起きたと騒いでる。側まで行ってみれば、乗用車が横転していて、車内に閉じ込められ、出られずにいる人がいる。
私は慌てて店へ戻った。
「先生! 乗用車の衝突事故です! 車内に怪我人あり!
ママ、綺麗なタオル有るだけ持って来て!
舞さん、奥から毛布とタオルケットを!
朱里ちゃんは、一応119番に電話、要救助者、6名うち3名子供って連絡して!」
私は掃除用にと買って置いたビニール手袋とウォッカを持って、皆んなを連れて事故現場へと向かった。
「先生、グローブの代わりに使って下さい!」
ビニール手袋にウォッカを掛け、前谷君へ渡した。
「君が使え!」
一人でも多くの命は助けたい。
でも、感染力のある病を持ってる人がいないとは限らない。その疑いが拭えない以上、グローブをするのが鉄則だ。
勿論、それは患者方にとっても言える。
もし、傷口からなんらかの菌が入ると、大変な事になる。
それに、私は医師ではない。
私には何も出来ないのだ。
「先生!!
先生は町の人達にとって大切な人なんです!
ゴチャゴチャ言ってないで、着けて!」
「分かった!
君は絶対怪我するなよ!
血にも触るな!」
触るなと言われても、それは無理な話だ。
だが、ここであーだこーだ言ってる暇は無い。
「はい!」
前谷君の指示の下、怪我人を車外へ救出し、止血していたところに、救急車がやって来た。
前谷君が救急隊に怪我人の状況報告すると、怪我人は病院へと搬送されていった。
ホッと胸を撫で下ろしてると、ママの腕から血が流れている事に気がついた。
「ママ、その手!」
車のドアが開かなくて、多分窓から子供を救出した時に、切ったのだろう。
もし、キャリアになったりしたら…
私の責任だ…
「大丈夫よ? ガラスでちょっと切っただけ。
大したことないわ!」
「先生!」
「大丈夫だって!
何かに感染しても、残りの人生なんてたかが知れてるんだから! 大丈夫よ?」
大丈夫だと言われても、心配で仕方ない。
前谷君はママの傷口を消毒してガーゼと包帯で止血をしてくれた。
そして、朝イチに検査の為、病院へ来るようにと言ってくれた。