過去の精算

昨夜、騒ぎがあったせいか、今夜はお客さんの足が遅いきがする。
気になって外を見てみると、他の店も同じ様で、女の子達が暇そうに外に出てる。

「今夜は暇ねぇ? 」

ママのこの一言で、舞さんや朱里さん達は一斉に電話をかけ始めた。

え?
皆さんどうしたの?

「キャサリンちゃんも頑張ってくれないと、お給料出せ無くなるわよ?」

「え?」

「皆んな、自分のお客さんに電話してるのよ?」

お客さんに電話?
あー営業掛けてるのか?
でも、私のお客さんっていったら、事務長と前谷君の二人だけだし…
流石に前谷君には掛けれない。
昨夜、あれだけお金使わせてるんだから、掛けるなら事務長…か…
仕方なく電話しようとしたが、自分の携帯からでは、もしかしたら、私だとバレる恐れがある。
それはまずいと思い、ママに電話を借り、事務長にかけようとした時、入口のドアが開いた。

「いらっしゃ…え?」

入ってきたのは前谷君だった。

席に座った彼へオシボリを出し、私は「なんで?」と、聞いた。

「君の売り上げに、協力しようと思って?」と彼は楽しそうに言う。

何がそんなに楽しいだか…
飲みもしないのに、こんな店に来て?

「それはどうも!
でも、昨日の様なお金の使い方やめてよね!」

「気に入らない?」

「気に入らない!
飲みもしないのにお金だけ払って、お金持ちの道楽だか知らないけど、私は嫌い!
いくら自分のお金だと言っても、あんな使い方は気に入らない!
飲まないなら、帰ったら?」

「そっか…じゃ、帰るわ!」

「えっ!」

「君が帰れって言うなら、帰るよ?」

「え…そ、そうね、帰った方がいいわ!」

「帰るから会計して!」

会計してと言う彼へ、私は良いと言う。

「座っただけで、何も飲んでないから…」

「キャサリンちゃん、うちはそんな優しい店じゃないわよ?
座った以上、チャージ料は頂くわよ?
オシボリも使った事だしね?」

えっ! そんな…ママボッタクリ!
「じゃ、私が今日のチャージ料払います!」

結局、昨日私が飲んだワインも彼の伝票に付けられていて、彼が払ったのだ。
だから、今日のチャージ料くらいは…

「キャサリンちゃん、それは、男の顔潰す事になるからやっちゃダメよ?」

前谷君はママにカードを渡し、サインをして帰って行った。




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