過去の精算

翌日も、そしてその次の日も、前谷君は毎日店に来て、ほんの1、2分席に座っては、カードでチャージ料を払って帰って行く。
舞さんの話だと、私の月に一度(夜勤の為)の休んだ日も来ていたと言う。

ホントに、あの人何しに来てるの!?

病院では、何度か休憩室に顔出しに来たけど、他の人も居たからか、何も話さず戻って行っていた。

私に何か用なの…?
あっ!
お金…?
そうか、お金か…?

今日は、店の給料日だ。
もし、彼が今夜も来たら、貰ったそのままを彼に渡そう。

出勤すると、女の子達はいつもより、きもち機嫌が良い様に見える、やっぱり給料日はみんな楽しみなんだろう。

開店前に、ママから給料(現金)を一人ずつ手渡しされる。
最初にチーママの舞さんから現金の入った袋を渡され、袋の厚みに流石と思っていると、ママは、「お疲れ様」と言って、私には銀行の名の入った紙袋2つを手渡した。

重っ…
えっ!
なにこれ?

「2000万入ってるわ?」

2000万っ!?
ちょっちょっと、2000万ってナニ?

「ママっ! これどう言う事ですか?」

「これで、借金返せるでしょ?」

どうして借金の事…

「あなたのお陰で、随分うちの店も稼がせて貰ったわ?
有難ね?
これで、皆んなを海外旅行に連れて行けるわ!」

ママの言葉に皆んな大喜びしている。
訳の分からない私一人だけが、狐につままれてる様で、呆然と立ち尽くす。

その時、店のドアが開いて前谷君が現れた。

「今日が給料日と、ママに聞いてね?
借金の回収に来たけど、それ貰って良いのか?」

「え?ええ…」

私は何がなんだか分からないまま、札束の入った紙袋を、前谷君へそのまま渡した。
すると、2000万の中から、350万を出し “ おつり ” と言って私に手渡した。

おつり…?




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