過去の精算
私達は部屋に戻ると、濡れた服を脱ぎ捨て、抱き合い互いを温めあった。
でも、私達は暖をとっただけで、彼は私にそれ以上は求めなかった。
「ごめんね? お風呂沸くまで時間がかかるから…」
「うん、良い。
未琴と抱き合ってられるだけで、幸せだし、暖かいから」
一枚の毛布に二人で体を寄せ合い、お風呂が沸くのを待っていた。
時折動くと彼の下腹部の硬い物が当たり、彼のアレだと思ってしまうと、顔が熱くなる。
そんな私を察して、彼は、“ ごめん ” と言う。
「…えっと、買い物…行けなくてなっちゃったね?
お腹空いてない?」
「俺は大丈夫だけど、未琴は?」
「私も大丈夫…」
そう言った矢先、私のお腹の虫が鳴いた。
クスクス笑う彼に、私は頬を膨らませ怒ったところで、今度は彼のお腹の虫が鳴いた。
「やっぱり、お腹空いたな?」と、彼は笑った。
どうしたものかと考えて、デリバリーを取ることにした。そして、彼はスマホをいじりだした。
「ピザが一番早そうだぞ?」
「じゃ、ピザで!」
ピザが届くまでの間も、私達はずっと1つの毛布に裸でくるまっていた。
「未琴?」
「なに?」
「ここ引っ越さないか?」
え?
「お母さんとの思い出の部屋なのは分かってる。
でも、随分古いし、シャワーもないだろ?
何より防犯的に心配なんだ?
もし、金の事が心配なら、家賃は俺が出しても良い」
それって…
囲われるって事…?
「少し考えさせて…?」