独占欲強めの部長に溺愛されてます

姿を見られているわけでもないのに直立不動で返すと、加賀美はさらに「開けてくれる?」と言ってよこした。

(え、でもでも、私、ひどい有様じゃない?)

起き抜けのうえ、帰ってきたまま寝たせいで、洋服はしわだらけ。髪がボサボサなのは鏡を見なくてもわかる。
できるなら、そんな姿を加賀美に見られたくはない。


「無理です」
「無理ってどうして?」
「無理なものは無理なんです」
「それは困るよ」


困るのはどう考えてもこっちだ。
ところが次に放たれた加賀美のひと声が、野々花の胃を刺激する。


「お弁当買ってきたんだ」


お腹の音がぐぅと盛大に鳴った。

(今の、聞こえちゃった? ドア越しだもん、聞こえないよね?)

慌ててお腹を押さえて、これ以上鳴らないよう身体から力を抜く。

ところがドアの向こうで、加賀美はクククと笑い始めた。なんと、お腹の音が聞こえたらしい。

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