独占欲強めの部長に溺愛されてます
加賀美にはことごとく酷い場面ばかり見られ、聞かれ、もうこれ以上恥ずかしいことはないように思えるくらいだ。
いくら諦めた恋だからとはいえ、今すぐこの場から消えてなくなりたい。
「……あの、お茶を淹れてきます」
せめてワンクッションおきたいと、いい用事を思いついて立ち上がった。
なるべく時間を稼いで頬の赤みが消えてからと思うものの、電気ケトルはものの二分と経たないうちにお湯を沸かし終えた。
わざとらしくゆっくりお茶を注ごうかとも考えたが、それでのろまな女だと思われたくない。スピーディーに淹れ終え、テーブルに戻った。
「どうぞ」
「ありがとう」
加賀美に倣って弁当のふたを開ける。今度は騒がないでねとお腹に念を送った効果か、なんとか音を鳴らさずに済んだ。
(それにしても、本当においしそう)
湯気こそ立っていないが、まだ温かい。