独占欲強めの部長に溺愛されてます
忘れようとするブレーキをうっかり緩めていた。
加賀美が外にいるうちに食べ終えて空になった弁当を袋に詰め、飲んでいたお茶も片づける。目に見えないところに加賀美の優しさを隠し、幻覚だと無理に思い込ませようとの魂胆だ。
ところがそれにも限界がある。電話を終えた加賀美が戻ると、野々花の鼓動はすぐにもドキッと反応する。
「加賀美部長、今日は本当にありがとうございました」
「いや。ずいぶんと顔色も良くなったから安心したよ」
ゴミを片づけようとでも思ったか、加賀美はテーブルを見て「あれ?」と呟く。
「あっ、お弁当なら片づけました。そうだ、お金」
大事なことを思い出し、ソファに投げ置いたバッグに手を突っ込む。ところが、加賀美は「そんなのいいよ」と取り合ってもくれない。
「ですが、この前もごちそうしていただいたのに」
「気にするな。早く良くなれ」