独占欲強めの部長に溺愛されてます
「部長って彼女いらっしゃるんですか?」
なんて直球な質問だろうか。聞いているこちらの方がヒヤヒヤする。
でも、その質問は野々花も非常に興味のあるところだ。聞いていないふりを装いながら耳をそばだてる。
「いや、いないよ」
「ほんとですか!? それじゃ私、立候補してもいいですかぁ?」
胸もとの髪を指でくるくるする瑠璃を野々花は羨ましい思いで見た。
野々花は、後先考えずに積極的にはなれない。みんなの目の前であけすけに告白まがいのことをできるのは、ある意味才能ではないか。鈍感力とでも言おうか。
とにかく瑠璃はすごいと思いつつ、もしもここで加賀美が〝いいよ〟と言ったら……という焦りに似た感情が芽生える。
自分は告白する勇気はないくせに、ほかの人の想いが加賀美に通じたら、それはそれで悲しい。
(私、身勝手だな)
そもそも野々花の恋はすでに成就不可能だ。
「悪いな。その気持ちには応えてやれない。気になる子ならいるんだ」