独占欲強めの部長に溺愛されてます

口を半開きにして建物を見上げていろいろと考えを巡らせているうちに、加賀美は敷地内に入っていた。


「星、こっち」


そう呼ばれて「は、はい」と慌てて後を追う。

芝生を張り巡らせた庭は、イングリッシュガーデン風。レンガの花壇や天然素材で作られたガーデンファニチャーがアンティーク感を醸し出している。
花畑の中にある小道のように、レンガ敷きの通路が玄関まで続く。

重厚な木製の玄関ドアを開けると、目の前に舞台セットのような立派な階段が現れた。一般家庭のそれより三倍は広いステップだ。その上からは豪奢なシャンデリアが吊るされ、キラキラと光っている。


「すごいおうちですね……」


ほかに形容する言葉が見つからない。しんと静まり返っているが、家族は不在だろうか。


「ひとりで持て余して困ってるよ」
「おひとりなんですか?」


この広さでひとり暮らしとは。

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