おじさんは予防線にはなりません
「……確かに池松さんはおじさんですけど。
そういう言い方は失礼だと思います」

池松さんを莫迦にする宗正さんに酷く腹が立っていた。
だいたい、ここの職場の人はみんな、池松さんを軽く見過ぎなのだ。

「池松さんだけですよ、社員さんに当たられてへこんでる私を励ましてくれたの。
いつもいつも気遣ってくださって。
池松さんを悪く言わないでください」

「その、……悪かったよ」

怒られたわんこのようにうなだれると、宗正さんは上目遣いで私をうかがってきた。
そういうのはなんか、言い過ぎたかなって気になってくる。

「わかったならいいんですよ」

「うん、ごめん。
それで。
……羽坂ちゃんは池松係長が好きなの?」

「……は?」

気を取り直して一歩踏み出した足が止まる。
< 106 / 310 >

この作品をシェア

pagetop