おじさんは予防線にはなりません
穏やかなお盆がすぎると、……大河との旅行がやってくる。

「お待たせ、詩乃」

車で私を迎えにきた大河は、黒縁スクエアの眼鏡をかけていた。

「おは……よ」

「ん?
あ、もしかして眼鏡似合ってない!?
だから嫌いなんだよ、眼鏡ー」

がっくりと大河はハンドルにもたれ掛かっているが……違うのだ。

「あの、ね。
……眼鏡、似合ってる」

私って眼鏡フェチだったんだろうか、そんなことを考えてしまうくらい、眼鏡の大河にドキドキする。

「……ほんとに?」

なぜか大河は疑いの眼差しで、上目で私をうかがった。

「うん。
眼鏡の大河、かっこいい」
< 195 / 310 >

この作品をシェア

pagetop