おじさんは予防線にはなりません
「ダーメ。
旅行中は詩乃にお金、使わせないって言っただろ」

大河は私の制止なんて聞かずに、さっさとお金を払ってしまった。

「はい、詩乃」

「あ、ありがとう」

受け取るだけで、なんだか恥ずかしい。

――旅行中は詩乃、オレのお姫様だから。

出発してすぐ、大河に言われた。

だからお金は気にしなくていいし、なんでもわがまま言って、だって。

旅行の話のあと、有休取れたから休みのことは気にしないでいいよって大河には伝えた。
それでも、自分のわがままのために私が休みを取ってくれたのが嬉しいからなんだと、大河にしては珍しく、ぼそぼそと話してくれた。


湖の周囲をしばらく散策して、車に戻る。
駐車場出発し、街を出て山に入っていく。
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