おじさんは予防線にはなりません
するりと左手薬指の指環を撫でられ振り返ると、眼鏡をかけたままの大河と目があった。
じっと見つめる茶色い瞳に……ゆっくりと目を閉じる。

「……そういうのは、夜まで取っとく」

ぼそっと囁かれた声に目を開ける。
ちゅっと額に大河は口づけを落として私から離れた。

「眼鏡かけたままキスって、オレ、慣れてないから無様なとこ、詩乃に見せたくないし」

にやっと笑った大河に、私も苦笑いしかできない。

「お風呂、入ってこよ?
ここのお湯、美肌効果があるんだって。
オレのためにぴかぴかにしてきて?」

「……大河のエッチ」

まともに顔を見られなくて俯く。
大河の手が私のあたまをぽんぽんした。


浴場は大きな内風呂と露天になっていた。
外に出ると風が気持ちいい。

「今日、大河と……」
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